土地の分筆は難しい?

土地を相続したとき、相続人が複数いる場合はどうすればいいのでしょうか?

一つ目の方法は、土地はAさんが一人で相続し、代わりにBさんは他の財産(貯金や証券)を相続する方法です。

二つ目の方法は、土地を共有する方法です。ただし、共有はデメリットも多いので注意が必要です。
関連:共有のデメリット

三つ目の方法は、一つの土地を分けて、それぞれ相続する方法です。

どの方法が一番良いというわけではなく、ケースに応じて最適な方法を選ぶ必要があります。
例えば、土地以外の相続財産も多い場合や、土地が小さいために分割すると利用が限定される場合は一つ目の方法が適していますし、土地が大きく財産の大半を占めている場合は、三つ目の方法が適しているでしょう。

土地をわける「分筆」とは

3つ目の方法である「土地をわける」ことについて、少し詳しく説明します。

一つの土地をわけることを「分筆」と言います。
「分筆」をすると、登記上も土地が分割され、それぞれの土地に対して所有者を設定できます。

実際に「分筆」する場合は、土地家屋調査士にお願いすることになります。土地の測量から登記まで行ってくれます。

均等に土地をわけるには

例えば、下の図のような1,000㎡の土地があったとします。AさんとBさんがこの土地をわけて相続するとき、どのようにわかればいいでしょうか?

Aさんは、下の図のようにそれぞれ500㎡ずつにわけようと提案しました。

確かに面積は均等です。しかし、左側の土地は角地であり、駅までの距離もやや近そうです。また、右側の土地は不整形で一部に崖地が含まれているため、左側の土地の方が価値が高いと言えます。

このわけ方ではBさんは納得できないでしょう。

このように、土地をわける場合は面積だけで判断することはできません。
上の図の場合、左右で分けるには、左側の土地の価値(単価)が高いため、面積は右側の土地が大きくなるようにわける必要があります。

土地の価値が均等になるようにわけなければ、片方は納得せず、土地の分筆はうまくいきません。

土地家屋調査士は、土地の面積を均等にすることはできます。しかし、価値を均等にすることは別の専門家が必要です。

不動産鑑定士は、分筆を想定して土地の評価を行い、価値が均等になるわけ方の提案も行っているので、土地の分筆で困ったら、不動産鑑定士に相談することをオススメします。