土地を売る時、「地積測量図」が重要視されてきています。
この「地積測量図」とは、土地の面積を実際に測量した図です。
土地を買う人は、本当にその面積があるか確認して買いたいですよね。
すでに「地積測量図」がある土地以外は、
土地家屋調査士という専門家に約30~50万円の費用をかけて新しくつくってもらう必要があります。
「地積測量図」をつくると、その費用にもビックリしますが、
境界トラブルが起こるかもしれないので、気をつけなければなりません。
実際にあった境界トラブル
当事務所に相談された実際のトラブル事例を紹介します。
Aさんは土地を売ろうとして、
「地積測量図」を作成してもらうことにしました。
土地には「境界標」という境界の点や線の位置を表すための標識が埋まっています。
この「境界標」を目印に土地の測量を行うのですが、
「境界標」が無い場所もあります。
例えば、塀を作るために「境界標」を抜いてしまっている場合です。
この場合、新たに「境界標」を埋める必要があります。
Aさんの土地と隣のBさんの土地との間に「境界標」が無い場所があり、
昔の資料や測量した結果をもとに新しく「境界標」を埋めました。
その後、Bさんに「境界標」を埋めたことを報告しました。
報告を受けたBさんは、新しい「境界標」を確認すると、
「この境界はおかしい。自分の土地が50cm分少なくなっている!」と主張してきたのです。
トラブルにならないためには
Bさんとトラブルにならないためには、どうすればよかったのでしょうか?
通常、「境界標」を新しく埋めるときは、専門家と境界に関わる人が全員で立ち会う必要があります。「全員が納得して境界を決める」という手順が重要なのです。
「土地の境界」は財産に直結する問題なので、非常にデリケートです。
不信感を持たれてしまうと、話が進まなくなってしまいます。
先ほどのケースも、測量の方法は問題無かったものの、Bさんへの対応を間違えたために起こってしまった問題です。
Aさんは、
「土地を売るので自分の土地を測量します。境界について、相談するかもしれませんが、その時はよろしくお願いします」
とBさんに事前に伝えておくだけでも、トラブルは防げたかもしれません。
お隣さんへの配慮が大切
トラブルが起こってしまうと、時間とお金が余計にかかってしまいます。
お隣さんとどんなに仲が良くても、境界に関しては誠実な対応が必要であり、
新しく「境界標」を埋めるときはお隣さんと一緒に必ず立ち会ってください。