コロナ禍によって地価はどう変わったか

新型コロナウィルスは、私たちの生活様式を変え、経済にも影響を与えました。その結果、地価が下落に転じた場所が増えました。

1都6県の住宅地

2021年の地価公示が発表され、全国平均で5年ぶりに対前年比でマイナスの変動率となりました。

東京圏は地価上昇が続いていましたが、牽引していたのは東京都です。埼玉・千葉・神奈川も人口増加が続いており、地価は上昇してた一方で、茨城・栃木・群馬の地価は下落傾向が続いていました。しかし、2021年の地価公示では、上昇していた埼玉・千葉・東京・神奈川のうち千葉県以外はマイナスに転じてしまいました。

1都6県の商業地

コロナ禍前の状況では、インバウンド等により商業地の地価は上昇傾向にあり、特に東京・大阪などの大都市や京都・北海道・沖縄などの観光地に地価は大きく上昇していました。

しかし、住宅地と同様に新型コロナウィルスの影響により地価は下落傾向となり、それまで1都6県の中で最も地価上昇率が大きかった東京都が最も下落率が大きくなりました。ちなみに、商業地の下落率が最も大きかったのは大阪府で、東京都は2番目になります。

リーマンショックとの比較

2008年9月に起こったリーマンショックによって、経済も落ち込み、地価も大幅に下落しました。今回のコロナ禍の影響による地価下落とリーマンショックによる地価下落を比べたいと思います。

リーマンショック時の変動率のグラフと今回のコロナ禍のグラフの形はよく似ています。しかし、決定的に違うのは縦軸のスケールです。コロナ禍のグラフのスケールを上のグラフに合わせると次になります。

リーマンショック時は、それ以前の地価上昇率も大きく、東京は年率10%以上で推移していました。そういった背景が違うので、「今回の影響は小さい」と言うことはできません。

リーマンショックでは、発生した2009年以降、地価は下落し続け、2012年頃にようやく上昇に転じました。

今回のコロナ禍では、すでに上昇の兆しを見せ始めている場所もあるので、リーマンショックの時の影響より小さくなるかもしれません。