不動産の評価は、メールや電話だけで「この土地の評価をお願いします」と依頼されることはほとんどありません。評価を依頼する前に、「相談」から始まることが一般的です。
今回は、不動産の鑑定評価の流れについて説明します。
①相談
まずは、直接会って相談することから始まります。
可能であれば、相談したい土地の場所と簡単な相談内容を事前にメールや電話で伝えてください。当日の話がスムーズに進みます。
当日は、相談したい土地や建物に関する資料をお持ちください。
土地・建物であれば登記事項証明書・公図・地積測量図・建物図面などです。また、固定資産税納税通知書も重要な資料になります。
ただし、「登記事項証明書が無いから相談できない」ということはありません。
資料は集められる範囲で大丈夫です。
実際の相談では、相談内容・相談したい不動産の確認・これまでの経緯をお聞きします。
なお、相談の段階では料金は発生しません。
結果的に鑑定評価を行わない場合でも、相談は無料です。
②お見積
鑑定評価を依頼する目的に応じて、正式な「鑑定評価書」、または簡易的な「調査報告書」のどちらが適しているかアドバイスをします。
依頼者には「鑑定評価書」・「調査報告書」または、その両方の見積りを送付します。実際の見積り金額を見て、了承していただいた段階で正式に評価を開始します。
③鑑定評価書(調査報告書)の作成
鑑定評価では、調査⇒鑑定評価額の決定⇒評価書の作成の順番で行われます。
対象となる土地や建物を調査する段階で、依頼された方に協力していただく場合があります(建物の内覧、関係者へのヒアリングなど)。
④納品
鑑定評価は、依頼を受けてから評価書を納品するまで、通常4週間程度かかります。
納品は郵送のほか、手渡しで行う場合もあります。
作成した評価書は、専門的な内容も多いため、納品に合わせて説明を行う機会を設ける場合もあります。
⑤ご入金
評価書の納品後に入金となります。
⑥フォロー
評価書に関する相談や関係者への説明などに対応しています。
また、訴訟で評価書を利用する場合、相手の弁護士から質問書や意見書が提出される場合もありますが、これらの文書に対する反論書の作成も対応しています(有償)。
さいごに
以上が当事務所の不動産の評価の流れになります。
不動産の鑑定評価では、実際の評価業務(評価額)はもちろん重要ですが、
評価の前後、つまり①相談と⑥フォローが依頼する人にとって最も重要であると考えています。
遠慮なく要望や質問を行ってください。